「BUTaCHER2Y#1-The heart」豚の呪い

名前、たかが名前かもしれないが、名前は、強い力を持つ。親が子どもの名前を決める時、あるいは飼っているペットに名前をつける時。その名前にどんな意味を持たせたとしても、気持ちを込めたとしても、その名前が持つ音が、与えられた者の人生の全てを決めてしまう。

「新宿ウサギズ」という名前を持つボクらは、その命名の理由が何であれ、無意識に「ウサギでなければならない」という強迫的な観念に支配される事になった。だから、ボクらはウサギを被る。そして、ウサギを描き、ウサギで表現し続けるのだ。

しかし、それを快く思わない存在があった。そいつはボクらの活動を陰から観察し、隙を伺っていたのだ。

新宿ウサギズ、第二作品「上野ボードワン」のキャプチャー画面を見て欲しい。

15秒と、46秒に、ブタがいる。ウサギの色に偽装しているため、気付かなかったが、その目は怒りに満ちている。更に重要なのが、1分40秒。ウサギ男にトドメを刺したのは、うさぎ軍団ではなく、ブタだった!
ブタはこうして、ずっとウサギズをつけ狙い。そして、ついにトドメを刺し、プライドを破壊した。そして、その日から、ボクらの心にはブタに対する劣等感とも、畏敬の念とも言い難い、複雑な感情を植え付けられたのだ。

なぜ、ボクらが「BUTaCHER2Y(ブチェリー)」という作品を作ろうとしたのか、わからない。しかし、今までのどの作品よりも、手間と時間をかけて、作り続けてしまった。何かにとり憑かれたかのように、手を動かし続け、Photoshopで何百にもパーツを切り分けて、それをコツコツとアニメーションにする作業に没頭してしまったのだ。

真夏、暑い夏だというのに、海にも行かず、山にも登らず、地下室に閉じこもって、ひたすら、BUTaCHER2Yを作り続けたのだ。

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